【夢から醒めたら】マトリックス
🎥マトリックス
皆さん如何お過ごしでしょうか。
ニワカ映画研究所、所長でございます。
今回レビューするのは
『マトリックス』です!
近所の映画館で
4DX上映をやっており
「久々に見るか〜♬」
とルンルンで鑑賞してまいりました。
いや〜やっぱり最高ですね、
マトリックス。
👇それではレビューをご覧下さい!
1.監督、スタッフ
監督は
アンディ・ウォシャウスキー
ラリー・ウォシャウスキー
の2人。
↓左がラリー
ウォシャウスキー兄弟と呼ばれる彼ら。
大学を中退し
大工業を営む傍ら
最初はコミックの制作を
していました。
後に脚本も書くようになりますが
最初に書いた『暗殺者』の
脚本がディノ・デ・ラウレンティスに
よって購入され
1995年、ワーナーブラザースによって公開。
1996年『バウンド』で
監督デビューを飾り
1996年、『マトリックス』で
名声を勝ち取りました。
以降マトリックスシリーズの
制作に携わります。
このお二人ですが
ラリーは2009年前後、
アンディは2016年に
性転換手術をしており
現在、
ラリーはラナ
アンディはリリー
と名乗っています。
また、お二人とも
日本のアニメ、漫画、小説
の大ファンであり
『らんま1/2』や村上春樹作品が
大好きだと語っています。
今作『マトリックス』も
日本のアニメ、漫画の
影響をかなり受けています。
詳しくは後述しますね。
更に、かなりのゲーマーで
あることも知られており
メタルギアシリーズの生みの親
小島秀夫氏とも交流が
あるそうです。
製作はジョエル・シルバー。
過去には
『リーサルウェポン』
『ダイハード』
の製作にも関わるなど
派手な視覚効果を満載した
アクション映画を製作して
知られる人物です。
アクション指導は
ユエン・ウーピン。
カンフー映画の武術指導に
おいてはかなりのキャリアを
持つ方です。
このカンフー映画の持つ
対人格闘技術や
ワイヤーアクション技術は
この『マトリックス』の
ヒットを皮切りに
ハリウッドでも取り入れられるなど
メジャーな技術として
広まっていくことになります。
2.キャスト
主演はキアヌ・リーヴス。
言わずもがな、超有名俳優ですね。
最近では
『ジョン・ウィック』シリーズに
出演しています。
俳優業だけでなく
ミュージシャン
としても評価されており
バントのベーシストとして
CDのリリースをしたり
フェスに出演したりと
がっつり活動していた
ようです。
世界的大スターでありながら
お金に全く執着がないようで
一瞬ホームレスと見間違うような
格好で目撃される事もしばしば。
その貯まりに貯まったお金で
映画製作スタッフ全員に
高級車をプレゼントした
という武勇伝もあります。
バイクが趣味で
実際に会社を作り
自社でバイクを製作。
そのバイクでレースにも
出場しています。
マトリックスの撮影直前に
バイクで大事故を起こし
首にサポーターをしたまま
アクションの指導を受ける
キアヌの姿が
オフショット映像に
残っています。
更に、プライベートでは
とても紳士で
電車で妊婦の方に
サッと席を譲っていた
という目撃談がある程。
(何故キアヌが電車に
乗っているのか、という
のは謎です。笑)
そんなお茶目で紳士で
ちょっと変な人?の
キアヌですが、
幼少期は
両親の離婚により
各地を転々としたり
高校はグレて退学したりと
なかなか壮絶な人生を
歩んでいます。
こんなキアヌリーヴスが
アクションに目覚めたきっかけは
なんと千葉真一。
(海外では「サニー・チバ」名義で
活動されていました。)
映画のプロモーションで
来日した際、千葉真一と
念願の初対面。
かなり感激していたそうです。
ヒロイン(トリニティー)役は
キャリー=アン・モス。
マトリックスシリーズ以外では
クリストファーノーラン監督の
『メメント』に
出演していたのが
印象的です。
強くてクールで
スマートで。
アクションも完璧にこなす
その姿。
必見です!
モーフィアス役は
ローレンスフィッシュバーン。
なんとこの方日本のアニメの
大ファンで、
監督のウォシャウスキー兄弟から
マトリックスの話を聞き、
『日本のアニメの
ライブアクション版だ』と言われ
飛びついていきました。
好きなアニメは
『AKIRA』
『攻殻機動隊』
『獣兵衛忍風帖』
『北斗の拳』
『クライング・フリーマン』
『妖獣都市』
と
なかなか渋めの
ラインナップ。
ちゃんとオタクなんだなと
わかりますね。笑
3.あらすじ
トーマス・アンダーソンは、
大手ソフトウェア会社に勤める
プログラマー。
しかし、トーマスにはあらゆる
コンピュータ犯罪を起こす
天才ハッカーネオという、
もう1つの顔があった。
平凡な日々を送っていたトーマスは、
ここ最近、起きているのに
夢を見ているような感覚に
悩まされ
「今生きているこの世界は、
もしかしたら夢なのではないか」
という、漠然とした違和感
を抱いていた。
しかしそれを裏付ける確証も得られず
毎日を過ごしていた。
ある日、トーマスは
「起きろ、ネオ(Wake up,Neo.)」
「マトリックスが見ている(The Matrix has you.)」
「白ウサギについて行け(Follow the white rabbit.)」
という謎のメールを受け取る。
ほどなくしてトリニティと名乗る
謎の女性と出会ったトーマス。
トリニティの仲間のモーフィアスを
紹介され
「あなたが生きているこの世界は、
コンピュータによって作られた仮想現実だ」
と告げられ、
このまま仮想現実で生きるか、
現実の世界で目覚めるかの選択を迫られる。
日常の違和感に悩まされていた
トーマスは現実の世界で
目覚めることを選択する。
次の瞬間、トーマスは
自分が培養槽のような
カプセルの中に閉じ込められ、
身動きもできない状態
であることに気づく。
トリニティたちの言ったことは
真実で、現実の世界はコンピュータ
の反乱によって人間社会が崩壊し、
人間の大部分はコンピュータの
動力源として培養されていた。
覚醒してしまったトーマスは
不良品として廃棄されるが、
待ち構えていたトリニティと
モーフィアスに救われる。
トーマスは、モーフィアスが
船長を務める工作船
「ネブカドネザル号」の仲間
として迎えられ、
ハッカーとして使っていた名前
「ネオ」を名乗ることになった。
モーフィアスはネオこそが
コンピュータの支配を打ち破る
救世主であると信じており、
仮想空間での身体の使い方や、
拳法などの戦闘技術を習得させた。
人類の抵抗軍の一員となったネオは、
仮想空間と現実を行き来しながら、
人類をコンピュータの支配から
解放する戦いに身を投じていく。
4.感想、考察
SF映画の頂点です。
やばすぎますね。ホント。
私自身『攻殻機動隊』が
大好きなのですが
首〜後頭部にプラグを差し、
電脳世界に入る
なんて正に攻殻機動隊ですね。笑
トリニティがだんだん
草薙素子に見えてきます…。笑
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機械によって飼育された
人間たちの入っているカプセル。
そこから目覚め、プラグを外し
現実世界に放たれる様。
これは母体、出産などの
メタファーですね。
まるで羊水のような液体に満ちた
飼育機という母胎から
ヘソの緒のようなプラグを外し
子宮から下界へ
産み落とされる。
この『マトリックス』の
世界では
現実世界では
人間は機械との戦いに
敗れており
人間にとっては
辛く、苦しい毎日が
強いられます。
それに対して
電脳世界では
それぞれがそれなりに
幸せな生活を送り
豊かに暮らしています。
実際、現実社会に生きる我々は
日々何かにストレスや
生き辛さ、息苦しさを感じ
生きていると思います。
「あの頃は幸せだったな」と
過去を想ったり
「あんな風になれればな」と
理想を想ったり
形のない幸せに
私達はすがってしまうのです。
その最終形態が、胎内回帰。
母の胎内で、現実世界を知らず
ただ無償の愛を受け
苦しまず生きたい……。
電脳世界=母胎
と考えれば
「電脳世界に戻りたい」と
仲間を殺したサイファーの
感情は正に
胎内回帰だと思われます。
サイファーのような
感情に陥る可能性のある
現代人は本当に沢山
いると思います。
しかし我々は
辛く苦しい現実を
真に自由な現実を
生きていくしかないのです。
今貴方が見ている世界は
本当に現実と言えますか?
多くの歪められた情報や
国民性、地域性による
マインドコントロール、
思い込みや偏見も。
それら全てが貴方が世界を
見る時のフィルターとなり
偽物の世界を見せるのです。
そこから抜け出すためには
確固たる自身の確立
大衆心理への懐疑
情報のファクトチェックetc…
沢山の手段があります。
貴方が誰に依存するのでなく
真に「自分」としての
視線を持つことで
漸く
貴方の前に、本当の世界、
現実世界が姿を現します。
自らを「解放」しましょう。
5.映像技法、VFX.SFX
VFX”は
撮影後に施される映像技法で、
現代のアクション映画やSF映画では
必ずといっていいほど使用される、
CGや合成を用いて映像を
加工することを指します。
『マトリックス』は、
これまで見ることができなかった
拳銃の弾道を、CGで可視化した作品
で“VFX”効果の可能性を
見せつけた一作です。
更には
「バレットタイム」という
撮影手法を用いました。
これは被写体の周囲に
カメラをたくさん並べて、
アングルを動かしたい方向に
それぞれのカメラを順番に
連続撮影していき、
被写体の動きはスローモーションで
見えるが、カメラワークは
高速で移動する映像を撮影する技術です。
また、並べたカメラを一斉に
同時撮影すると、被写体は
静止ないし低速で
動作した状態でカメラアングルが
動く映像が作れます。
(『マトリックス』で、
ネオが足に弾丸を受けるシーン)
マトリックス以前にも
セルアニメでは類似する
表現技法が存在しており
もっとも早期なものが
1967年の『マッハGoGoGo』です。
このアニメのオープニング映像で
そのシーンを確認することが
できます。
「バレットタイム」は
マトリックスで話題を呼び
世界的に広まっていきます。
しかしこの技法にも
デメリットがあります。
それは
膨大な時間と
膨大な機材が
必要になることです。
更に
現場での柔軟な
変更が難しく、
撮影はかなりの労力を
要するものでした。
それもあってか、
『マトリックス』シリーズでは
2作目以降、
俳優の全身をスキャンし
データとして取り込み、
映像編集の際に
画面にCGとして
再構成させる、という
手法がとられることに
なりました。
6.アクション
今作は
カンフー映画に
インスピレーションを
受け、アクションシーンでは
それに酷似した表現、
主にブルースリー、ジェットリー
の影響を受けている様に
感じられる箇所が
沢山あります。
アクション指導が
ユエンウーピンであることから
その土台はしっかりしています。
前半の戦闘訓練のシーンは
もろにカンフー映画
そのものですね。
モーフィアスの
「考えるな、感じろ」
はブルースリーの
『燃えよドラゴン』の
オマージュです。
『マトリックス』では
戦闘においての強さは
単純な肉体の強さではなく
訓練(修行)をしっかり積み
世界の真理に到達すること
が重要になります。
ネオが後半、覚醒し
強くなったのも
世界の真理に到達した
からかと思われます。
このロジックも
まさにカンフー映画的
ですよね。笑
マトリックスは映像技術だけでなく
アクションも
かなりハイクオリティで
評価されている部分です。
7.豆知識
エンディングで流れる曲は
Rage against the machineの
『wake up』。
もともと私はパンク好きだったので
この曲流れた瞬間、
「おお!」となりました。笑
監督のウォシャウスキー兄弟は
この曲を聴きながら
脚本を書き進めたそうです。
是非チェックしてみて下さい。
マリリンマンソンの
「rock is dead」も
かなりイカしてます。
更にこの『マトリックス』や
『攻殻機動隊』のもととなっているのが
ウィリアムギブソン著の
『ニューロマンサー(1984)』です。
設定や世界観、人間相関も
かなり近いものがあるので
是非チェックしてみて下さい。
8.最後に
今回のレビューは以上です!
映画の内容自体が
かなり肉厚で濃厚なため
次第と書く量も多くなり……笑
でも詳細を知らずにみても
めっちゃめちゃ面白い映画である
ことは間違いありません!
是非一度ご覧下さい!
鑑賞済みの方も
もう一度見ると
新たな発見があるかも
しれませんよー!