ニワカ映画研究所

映画鑑賞にはまり始めてはや数年、、日々鑑賞した映画をニワカ知識なりにレビューしていくブログです。公開中のものから過去作も!面白い映画を探す参考にしてください。

【ハートフル】最強のふたり【ピースフル】

 

皆さんどうも!

ニワカ映画研究所です。

 

突然ですが、

某ツ〇ヤ某GE〇

レンタルDVDのコーナーとかで

プッシュされてる奴って、

 

敢えて避けたりしません?笑

 

特に邦画コーナーなんて

 

「どーせ人気イケメン俳優と

売り出し中の若手女優が出てる

クソ映画なんだろ、、。」

 

なんて思ったりもしますが、、

 

今回はそんな

おすすめコーナーにありそうな

この作品!

 

『最強のふたり』

 

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こういう

「泣かせに来ましたよ~」って作品、

日頃からまあまあ

斜に構えて見てしまうのですが

 

今回はボロ泣きしました。笑

だって素敵な話すぎるんですもん。

 

ではレビュー始めます!

 

 

 

1.キャスト、監督、作品詳細

 

監督はエリック・トレダノ

 

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オリヴィエ・ナカシュ

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2011年公開のフランス映画です。

 

 

 

2011年10月23日、

第24回東京国際映画祭の

コンペティション部門にて上映され、

 

最高賞である

東京サクラグランプリを受賞し、

主演の2人も最優秀男優賞を受賞しました。

 

 

また、第37回セザール賞で

作品・監督・主演男優・

助演女優・撮影・脚本・編集・音響賞

ノミネートされ、

 

オマール・シーが

主演男優賞を受賞しています。

 

フランスでの歴代観客動員数で3位

(フランス映画のみの歴代観客動員数では2位)

となる大ヒット作となりました。

 

2011年にフランスで公開された

映画観客動員数では1位で、

同年公開された

『ハリーポッターと死の秘宝PART2』の倍以上の

動員数を記録しています。

 

 

日本でも興行収入が16億円を超え、

日本で公開されたフランス語映画の中で

歴代1位のヒット作となりました。

 

 

とにかくとんでもないヒット作みたいですね。

 

 

続いてメインキャストについて。

 

頸椎損傷により体が不自由な大富豪、

フィリップ役をフランソワ・クリュゼが。

 

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過去、セザール賞の主演男優賞を

『唇を閉ざせ』(2006)で受賞。

またセザール賞には他に9回ノミネートされています。

 

 

そのフィリップの介護をすることとなる、

貧困層の若者を

オマール・シーが。

 

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本作『最強のふたり』(2011)で

セザール賞の主演男優賞を受賞

 

それ以降ハリウッドでも

引っ張りだこの人気俳優で、

 

他には『ジュラシックワールド』や

『インフェルノ』といった

作品に出演しています。

また、コメディアンとしても

活動しているそうです。

 

 

 

2.あらすじ

 

パリに住む富豪の

フィリップ(フランソワ・クリュゼ)は

頸髄損傷で首から下の感覚が無く、

体を動かすことができません

 

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そのため日常生活は

自ら雇った介護人に

支援してもらわないと

生きていくことすらままなりません

 

 

フィリップ秘書のマガリー

住み込みの新しい介護人を雇うため、

候補者の面接を

自宅の豪邸で行っていました。

 

 

 

多くの候補者は

これまでの自分のキャリアや資格

あたかも介護職らしい

自分の価値観が正しいかのように話す中、

 

 

そこに居合わせたドリス

何の資格もなく

ただ面接を受けに来ただけの

場違いな貧困層の黒人でした。

 

 

ドリスは失業保険を受け取るために

面接に行き、不採用になった証明として

サインをもらいにきただけなのです。

 

 

なんの夢も無くふらふらと生きる

ドリスが気にかかったフィリップは

 

ドリスに明日サインを

取りに来ることを約束させ

周囲の反対を押し切り

介護人としてなし崩し的に

雇うことにしました

 

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ドリスは介護の経験は全くなく

一から十まで教えてもらわないと

何もわかりません。

 

フィリップの介護を学ぶ中で

「首から下の感覚がないって

どういう気持ちなのか」

と疑問に思います。

 

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フィリップへパーソナルな質問を

どんどん投げかけるドリス。

 

それは差別や侮蔑ではなく

一人の人としてフィリップを

知りたかったからでしょうか。

 

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少々雑な介護ではありましたが

どんどんと打ち解けていく

ドリスとフィリップ。

 

 

 

それぞれの内面を打ち明けていく中で

お互いが人にあまり

打ち明けることのなかった

コンプレックスを吐露します。

 

 

 

自身の出自や家庭環境

コンプレックスをもつドリス

障害を持つ自分の様子

コンプレックスをもつフィリップ

 

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お互いがお互いのコンプレックスを

乗り越えるためにサポートしあい

ふたりは遂に

かけがえのない親友となるのです。

 

 

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3.弱者を支援する気持ち

 

フィリップの介護人の

面接のシーンにて、

 

全く経験も無く資格もないドリス

資格を持ちそれなりの

キャリアのある人達とで

対照的に描かれる場面があります。

 

映画的に、いわば

「わかりやすく」ドリスと

それ以外とで比較されていますが

 

この作品が伝えたいのは

「見た目やキャリアでなく

性格で人を観ろ」

みたいな安ーい考えではなく

 

「他者を支援する気持ちとは」

ということについて疑問を

投げかけたいのではないか

と思います。

 

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介護される側である

フィリップが求めていたのは

単なる生活の介護や

綺麗事ばかり話す人間でなく

 

お互い笑い合って

時に愚痴も言い合って

からかいあったりもするし

たまには喧嘩もする

 

「お前誰が好きなの?」

「これ面白くない!?」

 

なんて話せる友達

だったのではないでしょうか。

 

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人は自身と大きく異なる人を

うまく理解する事はできません。

 

それは、歩んできた人生や

これまで経験し感じた事の差異もありますが

 

大きな要因の一つは

 

「この人は『私達』とは違う」

 

という考え方、

壁みたいなもの

どこかに潜んでいるから

ではないでしょうか。

 

 

 

この『私達』という

実態のない、それぞれの中にある

共通認識が

 

無意識のうちに他者を排除し

「仲間」とか

「他人」とか

「敵」とか…

 

勝手にラベリングして他者を

都合良く解釈しています。

 

 

 

この感覚、みなさんも日常の中で

感じたことはありませんか??

 

 

「あいつは俺らと違うから」と

優れた能力を持つ人を

深く知りもせず決めつけたり

 

障害を持つ人達を特別に取り上げて

彼らの考え方を美化してみたり。

 

 

人間の根源的な防衛本能として

手近な似たもの同士でコミュニティを

作ることは仕方がないのかも

しれません。

 

 

ただ、他者と全く共感できない人はいない

ということは心理学的に証明されています。

 

他者を知るには、兎にも角にも

コミュニケーションをとるしかありません。

 

 

 

これは僕の実体験なのですが

 

出会った頃はあまり話すこともなく

寧ろはたから見た様子は嫌いなくらいの

知り合いがいたのですが、仕方なく

コミュニケーションをとらざるを得ない

ことも多く、話をしているうちに

何故か仲良くなっていきました。

 

 

それは単に仲良くなった、というだけでなく

その人の内面を知ることができたから

なんだと思います。

 

 

反対に、最初は仲が良かったはずが

だんだんと疎遠になった人もいます。

 

それは環境だけでなく、

おそらくその人の

内面が僕自身の内面と

かみ合わなかったから

なんだと思います。

 

 

 

私は、世界中全ての人間が

仲良くなることは

難しいと考えます。

 

ただ、お互いを尊重

それぞれの幸せや平和を

獲得することは可能であるはずです。

 

 

 

先程の繰り返しではありますが、

他者から奪ったり、

傷つけあったりする原因は

 

「知らないこと」です。

 

 

更に「知らない」からこそ

様々な社会的弱者への

支援やその方法が

うまくいかないのです。

 

 

この映画ではフィリップの事を知りもしないのに

「障碍者」への支援を一人よがりな考えで

決めつけていた介護人希望者を

愚かな人間に描いています。

 

 

世の中の多くの人が、他者を属性や

社会的立場で判断することなく

フラットに理解できるようになれば

少しはみんなが生きやすい世の中に

なるのではないでしょうか。

 

 

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4.異端の孤独

 

社会的に異端であること。

能力が極端に優れていたり、劣っていたり

病気を持っていたり、障害があったり。

 

社会ではこのような極端な要素を持つ

人達排除する傾向にあるように思います。

 

特に日本においては

「人と違った能力」を持つ人よりも

「平均的にすぐれた」人物が好まれます。

 

 

 

人並みになんでもできて

生活能力もある。

 

もちろんそうできる人は

とっても素晴らしいです。

でもそうでない人は

非難の対象になってしまいます。

 

 

 だからこそ多くのひとは

自分が平均的であるように

必死になります。

 

自分を守るために

他の大多数の人とは違う部分

隠したりもします。

 

 

そんな社会の雰囲気があるために

違った意見を言ったり

大多数の他者と

同じ生き方をさせられるのです。

 

 

どうしてそうなってしまうのでしょうか。

 

 

それは不安だからです。

 

異端であることで孤独になること。

一人ぼっちになること。

これが不安でたまらないのです。

 

 

人間は遠い昔から

集団生活をしてきました。

この集団からはぐれること

死に直結していたのです。

 

 

また、自分たちと大きく異なる人間や

弱者を排除することで

自分たちの生活を守ってきました。

 

 

しかし

こと現代においては話が違います。

 

こんなにも豊かになった現代において

身体的特徴や精神的特性によってなぜ

生きづらさ

感じなければならないのでしょう。

 

 

人類の発展の次の段階として、

地球という大きな共同体として助け合う

気持ちを養っていきたいものです。

 

 

その為にはまず身近な異端を排除しないこと。

属性や所属はちがっても同じ人間なのです。

それぞれが幸せに生きられるよう

お互いを理解して、

楽しく生きていければいいですね。

 

 

5.最後に

 

最近の記事は最終的に

映画の内容でなく

内容をふまえた

私の持論を展開しただけのものに

なっていますね、、。

反省です。

 

これには私自身が

社会の異端であるという認識や

これまで保身のために

異端を排除してきてしまった

自身への反省もあるのです。

お許しください。

 

 

それはさておき、

ドリスの人間味溢れる様子が

すごくキュートだし、

フィリップのツンデレさが

クスリとさせてくれる

とってもハートフルな映画です。

 

 

そんななかで、

身体的弱者や社会的弱者は

どういった立場で

どのように思い生活しているのか

 

その一かけらでも気づいていただけたら

いいな、と思います。

 

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今回は以上です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

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