【アメリカ最後の輝き】グラン・トリノ
今回は2008年公開、「グラン・トリノ」のレビューです!
とは1970年代頃製造されたフォードトリノの事を指す。アメリカの車産業の輝きの終焉を思わせる象徴的な車である。
この作品は監督、主演ともにクリントイーストウッドが務め
当時はこの作品がイーストウッドの見納めになるのでは??と話題になった。
「グラン・トリノ」は後に公開される
「運び屋」と同じく退役軍人モノであり
両作品とも主人公が自身の性格が原因で
家族とも疎遠になり、妻の死がそれをより浮き彫りにしていく。
元軍人で、フォード社で50年自動車工を務めたコワルスキー(イーストウッド)は
自身が過去に縛られている事を自覚しない頑固親父。
アメリカが栄えた時代から時は流れ
町はアジア系移民に溢れ
まるで彼だけが時代に取り残されたかの様に生活し
グラン・トリノを眺め、酒を飲む毎日だった。
ひょんな事から始まった
アジア系移民の少年タオ(ビーヴァン)とスー(アニーハー)との交流を通し
新たな居場所を、今の時代の彼の役目を見つけたはずだったが……
衝撃のラスト。
少々ショッキングな展開もあるので
耐性のない方は閲覧注意かも。
最後の巨匠、イーストウッドの大傑作。
「古き良き」アメリカからの脱却
そしてアメリカの歩んだ歴史的過ちに対するイーストウッド流の回答。
シナリオ、脚本、映像、俳優陣、どれをとっても良し!
強い照明のコントラストによってもたらされるケレン味溢れるイーストウッドの表情は圧巻である。
更に俳優陣の殆どがアジア系にも関わらずゴージャスに魅せるイーストウッドの底力を見せつけられる。
超オススメです。お暇な方は是非…