ニワカ映画研究所

映画鑑賞にはまり始めてはや数年、、日々鑑賞した映画をニワカ知識なりにレビューしていくブログです。公開中のものから過去作も!面白い映画を探す参考にしてください。

【孤独な愛】ロケットマン

🎥ロケットマン

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今回8月23日を皮切りに現在絶賛公開中の「ロケットマン」のレビューです!

 

既にご覧になっている方もそうでない方も読んでいただける内容になっておりますのでご安心下さい。

 

 

 

監督はデクスター・フレッチャー。

 

そう、あの紆余曲折あった「ボヘミアンラプソディー」を完成にまで導いた

力のある監督である。

 

今回の「ロケットマン」は前作ボヘミアンラプソディーと同じく伝記映画ではあるものの

ミュージカル映画として制作されている。

 

そのため時系列的がズレている場面は多いにあるのだが、監督曰く

「そのことは知っていたが、私が注意しているのは、物事の瞬間を映画的かつ音楽的にとらえることにあります」

などと釈明し、物語の展開や演出においての細かな時系列は重視していないとの考えを示している。

 

 


今作はエルトンジョンの伝記映画であるため

そのファンとしては見過ごせない部分ではあるとは思うが

これはボヘミアンラプソディーでも同じく問題に挙げられていたもの。

 

この問題は一旦置いておいて

エルトンジョンを深く知らない一映画ファンとしてレビューをしていきたい。

 

 


キャストはエルトンジョン役にタロンエガートンが。

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キングスマンでお馴染みの彼だが、

今作では一転イケてないメガネのロッカー役を演じている。

ボヘミアンラプソディーでは歌パートは別のキャストが声を当てていたが

なんと今作ではタロンエガートン本人が全編

歌い上げている。

彼によるエルトンのパワフルな歌声の再現は見所の一つである。

 

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〜以下あらすじ〜

※全く前情報を入れたくない方は飛ばして下さい!ですが重要部分のネタバレはありません!

 


幼いレジー少年は父からも母からも愛されない孤独な少年であった。

家庭が冷え切っているのは自分のせいだ。

次第にそう考える様になっていくレジー少年。

彼には唯一ピアノの才能があった。

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王立音楽学院へ推薦入学する彼は

ピアノの才能の着実に伸ばしていくなかで

母の再婚相手の影響から

ロックンロールに目覚める。

エルヴィスプレスリーのような髪型で

ピアノをかき鳴らす。

青年になったレジーはバンドメンバーと共に黒人シンガーのバックバンドとしてスカウトされる。

そこではソウルに興味を示すレジー

 


ソウルシンガーになりたいレジーは黒人アーティストにその旨を相談すると

「自分で曲をかけ」とアドバイスされる。

 


そこから彼の作曲家、シンガーソングライター、エルトンジョンとしての人生が始まる。

天才的作詞家バーニーと共に曲を量産していく日々。

アメリカLAの有名ライブハウス、トルバドールでの鮮烈な全米デビューを皮切りに

爆発的に売り上げを伸ばすエルトン。

金銭的に、物質的には満足する彼だったが

彼はどうやっても手に入れる事のできないものがあった。

 


それは愛。

 


自分が本当に必要とされているか。

 


どれだけ有名になっても

どれだけ富豪になっても

満たされる事のない心の隙間。

 

 

 

それは彼自身の家庭環境や

セクシュアリティに起因するものであった。

 


永遠に叶う事のない愛。

永遠に受け止められる事のない愛。

 

 

 

酒とドラッグの果てに彼は何を見るのか。

 


〜あらすじは以上です〜

 

 

 

 


映画の感情を正直に言うと……

 

 

 

惜しい……平凡。      である。

 

 

 

ボヘミアンラプソディーがあまりにも素晴らしい出来であったため

期待値が跳ね上がっていたのも原因の一つである。

 


しかし…

 


ファンムービーの域を出ていないと感じる部分が多々ある。

 

 

 

まず、シナリオについては

説明不足なシーンが各所に見受けられ

人物、主にメインのキャラクターの

感情の深掘りが出来ていない。

 


エルトンジョンを知らない観客にとっては

 


彼の側に立つ、感情移入するというよりも

なんだか彼が勝手に堕ちていく様を

見せつけられているようにも感じられるだろう。

 

 

 

字幕表記についても言いたい事がある。

 


和訳、しっかり載せてくれ。

 


字幕版だと歌パートは和訳字幕が出ず

その歌が一体何を歌っているのか殆ど伝わってこない。

重要なシーンでは表記されるが。

 


これは私の予習不足だと言われても仕方ないが

多くの若い観客達はエルトンジョンを深く知らないままに観にいくだろう。

その大衆を置いてけぼりにしてはいけない。

 

 

 

何をしているのか、何を伝えたいのかしっかり解らせるのは字幕の役目だ。

 


翻訳家の怠慢でこの映画の価値はガクンと落ちている。

 

 

 

そんな調子なのだが、

タロンエガートンの役作りに関しては賞賛を送りたい。

 

エルトンジョンのだらしなさのあるボディーの再現からすきっ歯まで。

果てにはその歌声すらも再現している。

 

演技についてはラミマレック程の魅力はないものの

エルトンの堕ちていく様がよく表現されていて、その時点で十分に役目を果たしている。

 

 

 

そんな感じで、この映画は要予習!である。

エルトンジョンについて知らなければ

 


「一体なんだったんだこれは…」

 


となる可能性も否めない。

(私はある程度予習はしていたので助かった)

 

 

 

それでも、最後に流れる「I'm still standing」は

彼の波乱続きの人生をバックボーンにすることで

より厚みを増し、更に名曲となっている。

 

 

 

音楽好きの方は必見であるだろう。

 

 

 

 


といった感じで今回のレビューは以上です。

はじめてこんなに否定的なレビューをしましたが

随所で感動し泣きそうになったのも事実です。笑

大傑作ではありませんが面白い映画です。

お時間ある方は是非…